みやじ整骨院コラム

2018.04.26更新

 

みなさんは普段、ストレッチの”順番”を意識していますか?


 
「あまり意識していない」
 
「結局全部伸ばすから、どこからストレッチをしても同じなのでは…」


 
このような認識の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

このような考え方は、フルコースの料理に対して
 
「結局全部胃に入るんだから、どんな順番で食べても一緒でしょう」
 
と言っているのと同じです。


 
ストレッチにも適切な順番は存在していますし、

同じ内容でも順番が異なるだけで効果は大きく変わってきます。
 
 
 
ストレッチの「順番」


 
ストレッチの順番には大きく分けて2つのパターンがあります。
 
「末端部」の小さい筋肉から行うパターン
「中央部」の大きい筋肉から行うパターン


 
以下で詳しく見ていきましょう。
 
 
 
【「末端部」の小さい筋肉から】
 
 
 
ストレッチによって筋肉に刺激が入ると、

全身の「血液の流れ」が良くなります。


 
「血液の流れが良くなる」というのは、

「心臓から送り出される血液量が増える」ということでもあります。


 
これは「心臓」に大きな負担がかかってしまうことを意味します。


 
高齢の方のストレッチ
体がまだ起きていない早朝の時間帯のストレッチ
運動開始直後のウォーミングアップでのストレッチ
 
においてはこのやり方がオススメです。
 

 
順番の一例としては
 
 1.手の平のグーパー運動
 2.手首のストレッチ
 3.肩まわりのストレッチ
 4.足首回し
 5.アキレス腱のストレッチ
 6.太もも(前後)のストレッチ
 7.股関節のストレッチ
 8.お腹・背中のストレッチ
 9.首のストレッチ
 
などの流れが良いかと思います。
 
 
 
【「中央部」の大きい筋肉から】
 

 
「中央部」からストレッチをする際には


 
有酸素運動などを先に行い、体が温まっていること
適度に運動をする習慣がすでに身についていること
 
の2点が前提となります。


 
その上で「体の硬さを自覚している方」にオススメなのがこちらのパターンです。
 

 
末端部の小さな筋肉を狙ってストレッチをかけにいくと、

小さい筋肉には「逃げ場」が少ないので痛みを

生じさせてしまう場合があります。


 
一方で、大きい筋肉・大きい関節であれば、

多少ストレッチ強度が高くても、筋肉全体で伸びを

受け入れられるので怪我のリスクが少なくなります。


 
筋肉が極端に硬い人は、こちらのパターンで

ストレッチを行ったほうが効果的である場合も多いです。
 

 
順番の一例としては
 
 1.深呼吸・全身の伸び
 2.股関節のストレッチ
 3.膝の屈伸ストレッチ
 4.アキレス腱のストレッチ
 5.肩まわりのストレッチ
 6.手首のストレッチ
 7.首のストレッチ
 
などの流れが良いか思います。
 
 
 
 
まとめ


 
普段行うストレッチの「順番」は、

「ルーティーン化」している方も多いと思います。


 
ただ、同じストレッチ内容でも

目的や対象者に応じて順番が異なってきます。


 
ぜひ安全で効果的なストレッチを実施してください。

投稿者: みやじ整骨院

2018.04.19更新

水分補給には、さまざまなガイドラインがあります。


 
また年齢や活動状況によっても大きく異なるため、

定義を作ることは難しいです。


 
今日は「”一般的な”水分補給にまつわる基礎情報」を

まとめていこうと思います。
 
 
 
水分摂取の目安量


 
私たち人間の体にとって「水分」は必須の存在です。


 
体内のおよそ50~60%は水分で構成されており、

一見硬そうに見える筋肉の内訳も
 
70%=水分
22%=タンパク質
8%=脂肪酸とグリコーゲン
 
となっています。(NSCA’s Essentials of Personal Training Second Edition:p129)

 

年齢が若いほど、体内の水分比率は高い傾向にあります。


 
水分は汗や尿だけでなく、呼気中からもどんどん放散されていきます。


 
そのため、1日に平均して「1.5~2.6L」の水分補給が

必須であると考えられています。

 

 

喉が乾いたら飲めばいいの


 
一般的に認識されている「喉の渇き」は、

体内水分率の「およそ1%の脱水」で起こります。


 
例えば、70kgの成人男性(体水分率は60%)の場合、

体内の水分量はおよそ「42kg(70kg×0.6)」です。


 
このうちの1%というのは「42kg×0.01=0.42kg」、

すなわち「420ml」になります。


 
したがって、喉の渇きを感じた際は「コップ2杯分」

程度を摂取することが大切です。
 

「喉の渇き」を感じる”前”に「コップ1杯」という習慣を持ちたいですね!

 

 

運動時の水分補給


 
運動している時はどのくらいの水分を取ったほうがいいのでしょうか。


 
運動時の水分補給は「脱水状態」を防ぐために必要不可欠です。


 
基本になるのは
 
運動前=体重1kgあたり「5~7ml」の水分
運動中=「喉の渇き」を感じる”前”に水分補給
運動後=体重測定を行い、0.45kgの減少につき「0.6~0.7L」の水分補給です。
 
 
夏の暑い日などに運動をすると、1時間あたり「2~3.8L」もの

水分が失われることがあります。(Sizer,F.and E.Whitney.2011)


 
しかし、体内の消化器系が1時間に吸収できる

水分量の上限はおよそ「1L」程度です。


 
どれだけ運動中に水分補給を心がけていても、

この”負債分”によって脱水状態は引き起こされてしまいます。


 
「運動前」にしっかりと水分を体に取り入れておくことが大切です。


 
では、運動中は何を飲めばいいのでしょうか。


 
1時間以内の軽運動であれば、通常の「」で十分です。


 
ただ1時間を超える運動(または暑熱環境下での激しい運動)の場合は、

糖分と電解質を含む「スポーツドリンク」を摂取するのがオススメです。


 
スポーツドリンクは浸透圧の関係で、水よりも吸収速度が速いからです。

 

 

水分補給のチェック


 
 
水分補給が足りているかどうかは、運動前後の「体重比較」によって調べます。


 
1度の運動で体重が「0.5kg」以上落ちている場合は、

脱水が進行している可能性があるので注意が必要です。


 
また「尿の量・色」によっても把握することが可能です。


 
正常な尿は、1日におよそ「4回」で、

1回につき「250~300ml」程度とされています。


 
トイレに行く頻度が少ない。


1度の尿量が少ない。


尿の色が暗黄色で匂いが強い。


 
場合には、水分補給を多めに摂るよう心がけましょう。
 

脱水は健康に大きな害を与える危険性があるため、注意が必要ですね。

 

まとめ


 
水分補給の基本は「喉の渇き」を感じる前に「コップ1杯」です。


 
また運動時には
 
運動前=体重1kgあたり「5~7ml」の水分
運動中=「喉の渇き」を感じる”前”に水分補給
運動後=体重測定を行い、0.45kgの減少につき「0.6~0.7L」の水分補給
 
を意識し、脱水の進行を食い止める必要があります。


 
健康のためにもぜひ参考にしてみてください。

投稿者: みやじ整骨院

2018.04.09更新

 

スキニージーンズで筋肉や神経に障害が起きる?

 

脚やお尻にピッタリとフィットしスラリと細く見せることができる「スキニ―ジーンズ」。

 

ファッションアイテムとして愛用している女性も多いと思います。

 

しかし、英医学誌『The Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry』電子版にて

スキニ―ジーンズを履き長時間しゃがむことで、筋肉や神経に障害を来すといった

論文が発表されました。

 

スキニ―ジーンズを履いてしゃがむと脚の付け根や膝の辺りに曲げにくさを感じたり、

お尻や太もも部分がきついと思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

 

下肢を圧迫する状態が続くと、痛みやしびれなどの症状が出たり、

むくんでしまいポッテリとした足のようになってしまうことだってありえます。

 

 

下肢圧迫により考えられる影響とは?

 

立ち姿勢では体にフィットする衣服であたっとしても、関節を曲げるような

姿勢が続いた場合、下肢の圧迫によって次のような影響が考えられます。

 

1.急性コンパートメント症候群になる可能性


加圧され続けることで、筋組織に悪影響を及ぼすことがあります。

 

脚(下肢)には複数の区分けされた筋肉があり、神経・血管・筋肉は

骨や筋膜などに囲まれ4つの区画にわかれています。

 

これをコンパートメントと呼び、この部分の内圧が

上昇すると循環障害を起こすことになります。

 

怪我や骨折が原因になるケースも多いのですが、強い圧迫などを含め

外力によって組織が損傷してしまい、腫脹することが内圧上昇の原因になります。

 

症状は、強い痛み・しびれ・感覚障害・運動障害・下肢蒼白などがあり、

医療機関で早期に対処しなくてはならない状態です。

 


2.疲労回復の妨げにも


コンパートメント症候群ほどの症状がみられなくても、デスクワークで

椅子に座っていると、なんとなく下肢にだるさを感じることが多くなったり、

立ち上がらないと足の付け根や膝といった関節を曲げる部分に

気持ち悪さを感じたりすることがあります。

 

立ち姿勢ではさほどきついと感じることがない衣類(ズボンや下着など)であっても、

座ることによって部分的に圧が高まることがあります。

 

外から圧のかかった部分は、やはり血液循環が低下する恐れがあります。

 

筋肉への血流の滞りから酸素の供給の低下、疲労物質がたまりやすいといった

「筋肉のコリ」を生じやすい状態に陥る可能性が高まります。

 

すると筋肉疲労の回復の妨げともなります。


 
3.冷えやすい体になってしまう


外からの圧迫により、下肢全体、もしくは膝以下、足首以下の血流が滞って

しまうことで脚が冷たくなり「冷え」を招くことになるかもしれません。

 

下肢の中でもふくらはぎの筋肉の働きはとても重要です。

 

心臓の方へ血液を戻し循環させるためのポンプの役割を担っています。

 

しかし、圧迫によりふくらはぎのポンプ機能が低下することになると、

血液循環が悪くなり足の冷えやむくみの原因となってしまいます。

 

それにより、ふくらはぎを始め下肢の筋肉の過度な緊張を生じると、

足首や膝関節などの不安定性にもつながり関節周りの冷え感や関節痛に見舞われることもあります。

 

下肢の圧迫による影響をどのように予防する?

 

1.自分に合った衣服のサイズを選ぶ


スタイルを細く見せようと、ちょっと無理をして小さめのサイズに

挑戦するといったことは避けましょう。

サイズが合っている衣服であっても基本的には身動きが取れやすく、

椅子に座る・しゃがむなど関節を曲げた時に不快感のないものを選ぶことが大切です。

 

2.身に着ける時間、予定を考えてみる


スキニ―ジーンズのような身体にピッタリとフィットするもので

「キツイけど履きたい!」という人は、毎日同じようなタイプのものを履くのは避けましょう。

友達とカフェでおしゃべりをする、といった長時間座り姿勢(関節を曲げる状態が続く)が

続く可能性がある場合は、なるべくゆったりとした服を着る方が安心です。


3.着る時間帯も考えてみる


夕方は筋肉疲労とともに下肢がむくみやすくなる人も少なくありません。

もし、午後から外出する、といった場合は圧迫の強い着衣は避けたほうが無難です。


4.帰宅したら早めに脱ぐ


履いてすぐにキツイと感じても、買い物などで周りに気を取られていると

慣れてくる場合も多いかと思います。ですが、帰宅して着替えてみると思っていた以上に

体に負担をかけていたことに気付くはずです。

圧迫の強い服を着た日は、なるべく早めに体を解放してあげましょう。


5.体を大きく動かす


圧迫の強い服や下着をつけていると、関節の可動域を無意識のうちに狭めている可能性があります。

また、物理的に筋肉の血流も滞りがちになるため、関節を大きく動かし、

筋肉もしっかりと動かすようなエクササイズをしましょう。

投稿者: みやじ整骨院

2018.04.03更新

私たちの健康をむしばむ深刻な脅威が新たに見つかったそうです。

 

それは睡眠負債

 

朝早くから夜遅くまで働く日本人ですが、あなたは睡眠不足になっていませんか?
 
 
そんな慢性的な寝不足でお悩みの方は、日本人の3人に2人もいるそうですよ。
 
 
毎日の睡眠が、その人にとって必要な時間よりも短いと、

その睡眠不足は徐々に溜まっていきます。

 

その蓄積した睡眠不足のことを「睡眠負債」というそうです。


 
 
仕事でミスをしたり、意外と家事に時間がかかったり、休日は長めに寝てしまう。

 

この中で一つでも当てはまっていたら、睡眠負債を抱えているかもしれません。

 

毎日1~2時間程度のちょっとした睡眠不足でも、それが続くと

いつの間にか積み重なって膨れ上がりあなたを苦しめる、いわば眠りの借金です。


 
 
そして気づかないまま負債が返済不能なほど増えると、突如あなたに牙をむきます。


 
 
例えば、がん


 
最新の研究によって、睡眠負債が、がん細胞の増殖を加速させるとわかってきました。
 
 
さらには認知症


 
睡眠負債が続くと、認知症の原因物質が脳に蓄積しやすくなるというのです。
 
 
今、世界中の研究者が警鐘を鳴らしはじめました。
 
 
スタンフォード大学睡眠医学研究所のウィリアム・デメント元所長によれば、

『睡眠負債が深刻な問題とようやくわかってきました。

本来どんな眠りが必要なのか私たちは見直すべきなのです。』とおっしゃっています。
 
 
この睡眠負債、放っておくと命に関わる病につながることがわかってきました。

 

それは『がん』 日本人の死因第1位の病気です。
 
 
アメリカ、シカゴ大学で、がんを移植したマウスで実験が行われました。

 

定期的に通過するバーで睡眠を妨害したところ、4週間後変化がおきました。
 
 
睡眠負債の状態に陥ったマウスでは、がんが巨大化。

平均で2倍以上の重さになっていたのです。なぜこんなことが起きるのか。
 
 
研究者は、睡眠負債によって免疫細胞の異常が引き起こされたと考えています。
 
 
通常、私たちの体の中にがん細胞が出来ても、免疫細胞が攻撃し押さえ込んでくれます。

 

ところが、睡眠負債になると免疫細胞の働きが低下、

がん細胞がジワジワ増殖してしまうことがわかってきたのです。
 
 
シカゴ大学、デービッド・ゴザル教授によれば、

『私たちの体内では、免疫細胞がまるで「良い警官」のように

がん細胞をたえず見張っています。

しかし、あなたが睡眠負債だとその警官たちは眠ってしまいます。

そうなると、がんは暴れだし増殖してしまうのです。』
 
 
 
睡眠負債によってリスクが高まるのは、がんだけではありません。

 

認知症もそのひとつです。
 
 
認知症の多くを占める、アルツハイマー病。脳にアミロイドβという

老廃物が蓄積することで引き起こされると考えられています。
 
 
これによって、神経細胞が傷つけられ、脳の働きが衰えるというのです。
 
 
アメリカ、スタンフォード大学、睡眠生体リズム研究所、

日本人で所長を務める 西野精治さんによると、西野さんは、

睡眠を3週間にわたって制限したマウスと、制限しないマウスの脳を比べました。
 
 
睡眠制限あり(睡眠負債の状態)のマウスには、アミロイドβが大量に蓄積されています。

 

なぜこんなことが起きたのでしょうか?
 
 
実は健康な脳でも、日中の活動によって老廃物であるアミロイドβが発生します。

 

それは眠っている間に脳から排出されています。

 

しかし、睡眠時間か充分でない場合、排出しきれません。

 

睡眠負債では、この状態が続きアミロイドβが蓄積、

認知症の引き起こす可能性がわかってきたのです。
 
 
『(これまで)睡眠は単なる休息状態と考えられていたんですね。

それ以外の役割がわかってきたのは最近で、特に免疫に関することであるとか、

特にそういう老廃物の除去が強調されたのは最近ですね、

だからこれから色々な疾患でエビデンス(証拠)が出てくると思われます。

(スタンフォード大学、睡眠生体リズム研究所、西野精治所長)』
 
 
私たちを苦しめる数々の病、睡眠負債との深い関係が今、明らかになりつつあるのです。
 
 
睡眠評価研究機構 代表 白川修一郎さんによると、

「認知症は原因物質であるアミロイドβはだいたい認知症発症の

20~30年前から蓄積が始まっている。

働き盛りの年代、30代40代のその頃から睡眠負債の蓄積には気をつけるべきです。」とのことです。

投稿者: みやじ整骨院