事務系の仕事の場合、どうしても長時間同じ姿勢で座っていなければならず、
腰がだんだん痛くなる方も多いのではないでしょうか。
そんな方にお勧めの、イスに座ったまま3分できる
腰痛解消ストレッチをご紹介します。
座っているだけなのに、なぜ腰痛になるのか?
人間が2足歩行を行うようになって、上半身の重さを腰で支えなくては
ならなくなったために症状として表れるようになったと言われています。
普通に立っている状態で腰にかかるストレスを1倍とすると、
腰を曲げて中腰の姿勢では1.5倍、イスに座っている姿勢では
1.4倍のストレスが腰にかかっています。
つまり、3時間じっと座って仕事をしていたとすると、3時間近く
中腰でいたのと変わらないストレスが腰にかかっているのです。
立位の腰にかかっている負荷を1とすると
座っている時は1.4倍、中腰の時は1.5倍の
負荷が腰にかかる
普段、腰にどれくらいのストレスがかかっているのか分かると、
腰痛に悩まされている人が多いのも納得頂けると思います。
腰痛の原因は筋肉へのダメージ
習慣的に悪い姿勢を持続したり、仕事やスポーツで同じ動作を
何回もくり返して、一部の筋肉を酷使したり、また打撲や捻挫を
放置した場合などに、その筋肉はダメージを受けてしまい、
本采の働きができなくなってしまいます。
ダメージを受けた筋肉は、血液の循環が低下し、老排物が溜まってしまいます。
また、血液不全(=血行が悪い状態)が起きているため、細胞が必要とする
酸素が供給されず、一種の酸欠状態になり、細胞は活性化されなくなります。
酸欠状態になった筋肉には、硬いしこりのような部分(緊張帯)ができます。
さらに硬くなった筋肉の一部には、トリガーポイントと言われる特に強く痛みを
感じる点が出てきて、その場所近辺のみならず離れた場所に関連痛と言われる、
じんわりした鈍い痛みが現れます。
【腰痛時のトリガーポイント1】
赤の部分がトリガーポイント、薄い赤の部分が
慢性的な痛みや重さを感じる場所
【腰痛時のトリガーポイント2】
腰骨の横がトリガーポイント、その周りに
鈍い痛みが現れます。
これらのトリガーポイント周りの筋肉の血行を
改善することで、痛みが解消されます
肩こりの時に起こる、後頭部からこめかみ、目の周囲に現れる頭痛も、
肩の筋肉(僧帽筋)のトリガーポイントの関連痛であると言われています。
腰周りの血行をよくするには、トリガーポイント周りのマッサージ、
ストレッチ、電気治療、入浴などが効果的です。
イスに座ったままできる腰痛解消ストレッチ
まずは、ストレッチを行う前に次の4つに注意してください。
1.伸ばしている部位に痛みを感じたらそこで止めてください。
2.ストレッチをしても筋肉が伸びている感じがなければフォームを再確認しましょう。
3.1つのポーズを30秒ずつ行ってください。
4.時間がある方は2~3セットまとめて行うとより効果的です。
以上のポイントに注意して、無理せずストレッチを行ってください。
腰痛解消ストレッチ1:ハムストリングスのストレッチ
1.イスに浅く座り片膝を伸ばします。
2.伸ばした側の足に両手を沿わせて、ゆっくりと上体を前に倒します。
3.腿裏の伸びを感じたら痛みを感じる直前の位置で30秒止めましょう。
※反対側の足も同様にストレッチします。
膝を伸ばして、両手を腿に沿わせながら
上体を倒しましょう
腰痛解消ストレッチ2:臀部のストレッチ
1.イスに浅く座り片膝の上に反対側の踵をのせます。
2.床についている側の足の膝裏を両手でつかみます。
3.両手で上体を前に引きつけましょう。お尻が伸びているのを感じたら30秒止めてください。
※反対側の臀部も同様にストレッチします。
膝の上に踵をのせ、上体を前に倒しましょう
腰痛解消ストレッチ3:腰部のストレッチ
1.イスに座り、両足を腰幅に広げます。上体を右に捻りましょう。
2.左手で右腿の外側をつかみます。
3.この状態で体をさらに右に捻りましょう。左足が内側に入らないように注意してください。
左側の腰周りの伸びを感じたら30秒止めてください。
※反対側の腰も同様にストレッチします。
体を捻り、手で足をおさえてから、さらに捻りましょう
以上がイスに座ったままできる簡単なストレッチとなります。
やり方は非常に簡単ですが、腰痛の原因となっているトリガーポイント周辺の
筋肉をしっかりと伸ばすことができます。
3分もあれば十分にストレッチできるので、皆さんも是非試してみてください。