今日は、「ランニング」の時に、重点的にストレッチしたほうがいい
筋肉をご紹介します。
「走る」動作のメカニズム
「走る」動作というのは、
「歩幅(ストライド)」×「歩数(ピッチ)」
によって構成されています。
柔軟性が向上すると「歩幅(ストライド)」が広くなり、
その分スピードが向上してきます。
重心移動の速度を変えずに「歩幅(ストライド)を大きくする」ためには
・臀筋群・ハムストリングス
・腸腰筋・大腿四頭筋
・下腿筋群
の柔軟性が特に重要となります。
これが「大臀筋」と「ハムストリングス」で、
右足を横(外側)から見た図
(引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス(Visible Body)より)
これが「臀筋」と「大腿四頭筋」です。
右足を横(外側)から見た図
(引用:同上)
そしてこちらが「下腿筋群」です。
右足を横(外側)から見た図
(引用:同上)
また、ランニング中に「クロスオーバー」と呼ばれる、着地足が
中心線より内側に入ってしまう状態に陥る人がいます。
これは内転筋群の硬さによって足が内側に引っ張られるだけでなく、
胸筋群の硬さによって上半身(肩)のラインが傾くことに
よっても発生していると考えられています。
したがって、効率のよいランニングフォームのためには
・内転筋群
・胸筋群
の柔軟性も必要となります。
参考までにこれが「内転筋群」で、
右足を正面から見た図
(引用:同上)
柔軟性のメリット
上記の筋肉群の柔軟性が向上すると「歩幅が大きくなる」だけでなく、
①筋肉の収縮力が大きくなる。
②力の作用する時間が長くなる。
③無駄なエネルギーを消耗しなくなる。
といったメリットも期待されます。
<①筋肉の収縮力が大きくなる>
筋肉はゴム状の性質をもっているため、筋肉が長く
伸ばされた状態だと「弾性エネルギー×収縮力」
によって力を発揮することができるようになります。
<②力の作用する時間が長くなる>
「走る」動作では踵が地面に着地した後、つま先に
よって地面を蹴っていく動きが入ります。
この時、ふくらはぎの筋肉が硬いとすぐにつま先が
地面を離れてしまいますが、柔軟性が高ければ
より長い時間、地面を押し続けることができます。
これによって、より大きな「地面反力」を受ける
ことができ、加速することができます。
<③無駄なエネルギーを消耗しなくなる>
体の硬さは「代償動作」と呼ばれる無駄な動きを生み出します。
例えば、右股関節の柔軟性が著しく低下している場合、
右足の歩幅(ストライド)をカバーするために骨盤が
より大きく回旋してしまうことがあります。
本来必要でない動きを作り出せば、その分エネルギーは消耗し、
なおかつ怪我の発生リスクも高めてしまいます。
柔軟性の高さとは、必要最低限のエネルギーで
運動を行うためにも重要なものなのです。
まとめ
ランニングにおいて重要な筋肉群は
・臀筋群・ハムストリングス
・腸腰筋・大腿四頭筋
・下腿筋群
そして
・内転筋群
・胸筋群 となります。
柔軟性を高めることで、より運動効率が上がることも
期待されますので、ぜひランニング前はしっかりと
ストレッチを行ってください。