1日あたり”何回”ストレッチをするのがベストなのか、
疑問を持ったことはありませんか?
もちろん体には個人差がある以上、
一概に全てを断定することはできません。
ただ目安を知っておくことは、効果を高めて
いく上でとても大切です。
参考文献をもとに「ストレッチは1日に何回やるべき?」の
疑問にお答えしていこうと思います。
ストレッチの最大効果はいつ起こるのか
そもそもストレッチの「最大効果」って
どのタイミングで起きているのでしょうか?
過去の文献の中に、筋肉ー腱単位の検査検体を用いて、ストレッチによる
筋肉ー腱の変化を調べている実験があります「Taylorら(1990)」。
この実験では休憩を挟みながら、同じ力で
連続してストレッチをかけています。
その結果
ストレッチによる最大の効果は、伸ばし始めてから「12〜18秒」で起こる
筋肉ー腱における塑弾性変化の75%は、最初の「4セット」までで起こる
という2つの事実が明らかになりました。
ちなみに、ここでいう「効果」というのは
筋肉の抵抗率の減少
筋肉の長さの変化 のことです。
ストレッチにおいては、伸ばし始めてから
およそ20秒で筋肉に変化が出てきます。
「伸ばす時間に比例して筋肉が柔らかくなる」という
データは今のところ、算出されていません。
2分、3分と伸ばし続けても、一概に効果が高まるわけではない
ことをぜひ覚えておいてください。
また、この実験では「5セット目以降」の筋肉の変化が、
ほぼ”横ばい”となりました。
全体の変化の75%は最初の「4セット」までの間で起こっており、
セット数の増加は筋肉の変化と比例しないことがわかりました。
つまり、回数を増せば増すほど効果が
期待できるわけではないということです。
ストレッチは1日に何回行うのベスト
「15〜20秒」を「4セット」がベストなのはわかりました。
ではこれを1日に何回行うのがベストなのでしょうか?
1日に行う回数に関しても、過去の文献をもとに考えていきましょう。
こちらはBandyら(1997)が行ったストレッチに関する実験です。
ここでは被験者を
30秒伸ばすグループ
60秒伸ばすグループ
に分け「(1日1回×週5日)×6週間」に渡って実験を行いました。
結果としては両グループ間に有意な差はなく、
「30秒」ストレッチをすれば「60秒間」のストレッチと
ほぼ同程度の効果を得られることがわかりました。
ここまでは先ほどの実験とほぼ同様の結果ですね。
次に「30秒伸ばすグループ」を
1日1回行うグループ
1日3回(朝・昼・夜)行うグループ
に分けて実験を行いました。
すると驚くことに、こちらに関しても大きな有意差を
確認することはできませんでした。
つまり、「1日1回」ストレッチをすれば「1日3回」ストレッチを
するのとほぼ同程度の効果を得られることがわかったわけです。
1日1回丁寧な「ストレッチタイム」を設ければ十分ということです。
したがって、セルフストレッチは
一部位あたり「15〜20秒以上」
休憩を挟みながら「4セット」
ストレッチタイムは「1日1回」
行うことがベストであることが推測されます。
ただ人間の体には大きく個人差があります。
全ての人がこのストレッチ時間で成果が出るわけではありません。