水分補給には、さまざまなガイドラインがあります。
また年齢や活動状況によっても大きく異なるため、
定義を作ることは難しいです。
今日は「”一般的な”水分補給にまつわる基礎情報」を
まとめていこうと思います。
水分摂取の目安量
私たち人間の体にとって「水分」は必須の存在です。
体内のおよそ50~60%は水分で構成されており、
一見硬そうに見える筋肉の内訳も
70%=水分
22%=タンパク質
8%=脂肪酸とグリコーゲン
となっています。(NSCA’s Essentials of Personal Training Second Edition:p129)
年齢が若いほど、体内の水分比率は高い傾向にあります。
水分は汗や尿だけでなく、呼気中からもどんどん放散されていきます。
そのため、1日に平均して「1.5~2.6L」の水分補給が
必須であると考えられています。
喉が乾いたら飲めばいいの
一般的に認識されている「喉の渇き」は、
体内水分率の「およそ1%の脱水」で起こります。
例えば、70kgの成人男性(体水分率は60%)の場合、
体内の水分量はおよそ「42kg(70kg×0.6)」です。
このうちの1%というのは「42kg×0.01=0.42kg」、
すなわち「420ml」になります。
したがって、喉の渇きを感じた際は「コップ2杯分」
程度を摂取することが大切です。
「喉の渇き」を感じる”前”に「コップ1杯」という習慣を持ちたいですね!
運動時の水分補給
運動している時はどのくらいの水分を取ったほうがいいのでしょうか。
運動時の水分補給は「脱水状態」を防ぐために必要不可欠です。
基本になるのは
運動前=体重1kgあたり「5~7ml」の水分
運動中=「喉の渇き」を感じる”前”に水分補給
運動後=体重測定を行い、0.45kgの減少につき「0.6~0.7L」の水分補給です。
夏の暑い日などに運動をすると、1時間あたり「2~3.8L」もの
水分が失われることがあります。(Sizer,F.and E.Whitney.2011)
しかし、体内の消化器系が1時間に吸収できる
水分量の上限はおよそ「1L」程度です。
どれだけ運動中に水分補給を心がけていても、
この”負債分”によって脱水状態は引き起こされてしまいます。
「運動前」にしっかりと水分を体に取り入れておくことが大切です。
では、運動中は何を飲めばいいのでしょうか。
1時間以内の軽運動であれば、通常の「水」で十分です。
ただ1時間を超える運動(または暑熱環境下での激しい運動)の場合は、
糖分と電解質を含む「スポーツドリンク」を摂取するのがオススメです。
スポーツドリンクは浸透圧の関係で、水よりも吸収速度が速いからです。
水分補給のチェック
水分補給が足りているかどうかは、運動前後の「体重比較」によって調べます。
1度の運動で体重が「0.5kg」以上落ちている場合は、
脱水が進行している可能性があるので注意が必要です。
また「尿の量・色」によっても把握することが可能です。
正常な尿は、1日におよそ「4回」で、
1回につき「250~300ml」程度とされています。
トイレに行く頻度が少ない。
1度の尿量が少ない。
尿の色が暗黄色で匂いが強い。
場合には、水分補給を多めに摂るよう心がけましょう。
脱水は健康に大きな害を与える危険性があるため、注意が必要ですね。
まとめ
水分補給の基本は「喉の渇き」を感じる前に「コップ1杯」です。
また運動時には
運動前=体重1kgあたり「5~7ml」の水分
運動中=「喉の渇き」を感じる”前”に水分補給
運動後=体重測定を行い、0.45kgの減少につき「0.6~0.7L」の水分補給
を意識し、脱水の進行を食い止める必要があります。
健康のためにもぜひ参考にしてみてください。